愉悦の園で
In the Pleasure Garden

   
   

遠くに聞こえる鳥のさえずり、繰り返されるアナウンステープ、温室の中は奇妙な静けさが満ち満ちて、湿度の高い甘い香りは愉悦の園へと誘います。

2000年から2007年、京都、大阪、神戸、和歌山、名古屋、撮影のため近畿一円の植物園に度々通いました。

どこの植物園も独特の雰囲気を持っていて、何度行っても飽きることはありません。

特に冬の温室の雰囲気が好きで、楽しかったことを覚えています。

植物たちの呼吸で曇ったガラス越しに差し込む光はやわらかく、露を帯びた葉の一枚一枚がとても綺麗に光ります。

そこでは理想的な光と水と温度が保たれ、本来出会うことがない植物たちが、葉を茂らせ、花を咲かせ、その生命を謳歌しています。

自然を模して造られた空間に、人為を超えた生命の営みが当然のように繰り返されるのです。

平日に撮影に行くと、人も少なくひっそりとした館内はまるで自分だけの庭園の様で、今となってはもう得られない特別な空間でした。

この写真は私だけの温室の記録です。いつでも取り出して眺められるように集め拾った写真たちです。

  Kawachinagano, Osaka
2000
 
  Kitayama, Kyoto
2002
 
  Kitayama, Kyoto
2001
 
  Uji, Kyoto
2003